長く賃貸管理の現場を経験してきました。自身もオーナーとして不動産投資や賃貸経営を行っています。その経験を共有し、皆様の賃貸経営にお役立ていただければと思い本ブログを運営しています。1976年生まれ、2人の娘の父です。
【保有資格】CPM®(米国不動産経営管理士)/(公認)不動産コンサルティングマスター/ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士/相続アドバイザー
賃貸経営者にとって、その部屋からの収入がいきなりゼロになる空室は恐怖です。
願わくば、入居者の退去後、翌日から新しい入居者に入居してもらいたいもの。当然、任せている不動産管理会社には、早めの成約を期待してしまいますが、募集状況の連絡が無く、1ヶ月、2ヶ月と時間が経過すると、気持ちもソワソワ、対応にイライラ。
「管理会社に任せているから大丈夫」「内見はあるみたいだから大丈夫」で、済ませていませんか?
経験上、設備が古すぎるのに賃料が高すぎとか、余程ニーズからかけ離れた条件でない限り、3ヵ月以内には入居が決まります。
空室が長引いて、不安を感じているオーナー様に、そんな時に真っ先に調べてほしい4つのことをお伝えします。
目次
同じエリアで募集している物件の募集条件を調べる
当たり前だろ!と言われてしまいそうですが、疎かにできない基本的な作業。自分の物件の募集条件が、他と比べて自分の物件の立ち位置を把握します。
賃料とは、立地×広さ×居住環境(付帯設備や周辺環境)を、数字で表したものです。いわばその部屋の価値です。
入居が決まらないということは、自己評価と顧客ニーズが乖離しているということもあるかもしれません。他に原因がある可能性もありますが、まずは、周辺物件との比較が第一歩です。
顧客ニーズを調査するのは、時間も労力もかかりますので、周辺の他の物件がどういう条件なのかを調べ、自分の物件と比べてみましょう。
調査方法は簡単です。
SUUMO、athome、 HOME`Sといったポータルサイトで、似たような立地・広さ・築年数の物件をピックアップし、賃料や初期費用、付帯設備について書き出してみることです。
書き出した後、平均的な平米単価を割り出し、自分の物件に当てはめてみましょう。初期費用についても同様です。
弊社で提案させていただくときに利用する簡易的な分析表がこちらです。
付帯設備や契約条件を細かく項目に書き出し、競合物件を項目ごとに加点減点し、平準化した平米単価を算出し、それを基に査定する、コンペア式家賃査定という方法もあります。
専任で募集を任せている管理会社が抱え込みをしていないか確認する
周辺物件との条件を比べても、特に乖離が無いようであれば、時期的なものか、募集方法に原因があります。
空室が長期化しているというご相談をいただいたケースでよくあるのが、専任で募集を任せている不動産業者が、不動産業者間の情報サイト「レインズ」に掲載していないということです。
他の不動産会社の協力無くして、早期の入居は見込めません。その会社は、オーナーに対してはポータルサイトだけ見せて、『募集はしっかり行っている』と説明していたそうですが、レインズにも掲載せず、自社のお客さんにしか紹介していなかったというのが実態でした。
もう一つ、他の不動産会社が自社ホームページやポータルサイトに掲載することを禁止していることもあります。
自社ホームページやポータルサイトへの掲載を許可すると、担当者が掲載用の室内写真を撮りに内覧してくれます。内覧してくれるということは、室内環境を知ってもらえますし、お客さんにも説明しやすくなります。
他の不動産会社にも広告してもらい、内覧してもらうことは、早く決めるためにはとても重要なことです。
室内を確認する
稀にですが、お客さまをご案内していて、室内が汚れている部屋に遭遇することがあります。
管理会社が室内を確認せず、募集期間が長期化したのでしょう。下水のニオイが上がってきていたり、虫の死骸が散乱していたり、トイレに水垢やカビが付いていたり、せっかく見に来たのに残念な気持ちで帰ることになります。
これでは、いくら条件が良くても決まりません。空室時の室内状況は、適度に確認しましょう。
募集写真を見直す
写真は、とても大事です。同じ物件でも、撮り方によって与える印象が大きく変わります。
ポータルサイトで直接入居者に訴求するにも、興味を持ってもらえるような写真でなければ、問い合わせはありません。
ポータルサイトだけでなく、他の不動産会社にも興味を持ってもらうためにも、「レインズ」に掲載する写真も、同じように良い印象を与える写真を掲載すべきです。
どういう写真を使って募集しているのかも、一度確認してみましょう。
ADは、入居者に選んでもらえないと効果がない
ADとは、客付け業者に支払う、特別広告費です。これを増やせば決まるとお考えのオーナーもいらっしゃいますが、私はそうは思いません。
ADは客付け業者に支払う費用ですので、入居者にとってはメリットがありません。
もちろん地域性もありますし、ADによって客付け業者が決めようと努力してくれる事はあるかもしれません。しかし、最後に決断するのは入居者です。そもそも、入居者が気に入ってくれて、選択肢のひとつにならないと、効果がありません。
ADを付ければ、増やせば決まるという思い込みに依存するのではなく、内装や募集条件等、入居者に選ばれる物件に変えていく方法を、考えることをお勧めします。
まとめ
余程のことが無い限り、空室が長期化するということはありません。どんな物件にも、数の差はあれ、一定の入居ニーズはあります。
募集条件や居住環境等、物件が提供する価値と、入居者が求める価値のバランスが悪いのか、管理会社の募集方法に難があるのか、必ず原因があります。
空室が長期化する前に、管理会社からの状況報告や、何かしらの改善提案があるはずですが、今回は、それすらなくご自身で行動しなければならないときに、チェックすべき項目を列挙しました。
物件情報は鮮度が命です。早め早めに手を打って、原因を突き止め正しく改善し、遅くても3ヵ月以内には決まる物件にしていくことが、安定した賃貸経営の第一歩です。
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