『入居募集活動は、空室になってから始まるのではなく、入居中から既に始まっている。』
弊社の管理物件への入居募集に対する考え方です。
空室になったから原状回復して入居募集という単純な流れではなく、入居していた人だからこそわかる不具合を原状回復工事で改善し、良いところを入居募集でアピールすることで、より厚みのある募集活動ができ、バリューアップにもつなげられるという思いからです。
弊社の賃貸管理では、なるべく機会を見つけて、短時間でも入居者から住み心地などのヒアリングを行うように心がけています。
目次
先日、弊社で管理しているデザイナーズ物件で、YouTubeで人気の『ゆっくり不動産』さんの取材があり、入居者さんにインタビューができましたので、その重要性の一例として紹介します。
オシャレだけど収納がなくデッドスペースも多い部屋の暮らし方
メゾネットタイプのデザイナーズ物件で、内装はおしゃれなのですが、内覧時には、『収納が少ない』『間取りが使いにくそう』といったネガティブな意見もある物件です。
室内の螺旋階段は、デッドスペースを生み出し、一見すると住みにくさを感じてしまうデザイナーズ物件ですが、『オシャレ』だけではない『良さ』を、実際に心地よく暮らしている入居者から聞く、いい機会になりました。
一見とても住みにくそうだが、住んでみるととても気に入った
お住まいの部屋は、三角形のコーナーの尖端部分にあたる部屋。
1階の玄関から2階のバスルーム、3階の洋室+キッチンへと螺旋階段が繋ぎ、それぞれ大きな窓がある特徴的な部屋です。
奥に行くほどに幅が狭まる洋室は、当初は使いにくそうでネックでもあったそうです。
入居当初は、YouTube撮影の背景として使っていたそうですが、そのうち、角にヨギボーを置いて友人を呼んでパーティしたりして活用できるようになり、今は団らんできる場所として、他にはない空間として気に入っているとのこと。
天井の木の質感と天窓のログハウスっぽい雰囲気がよく、自宅なのにおしゃれな建築事務所みたいな雰囲気が出せるのもよいとか。天窓からは飛行機も見えるそうです。
螺旋階段は、休憩所にも、棚にも、間仕切りにもなる優れもの
室内の大きな部分を占める室内階段は、デッドスペースになりがちです。おしゃれだが住むには不便という方もいます。
ところが、階段があるので休憩スペースになるとのこと。
風呂上がりに休んだり、隅っこに置いた観葉植物や雑貨を眺めたり、フラットな部屋にはない生活スタイルがあるとおっしゃっていました。
また、階段を上下することでメリハリが生まれ、それぞれの部屋は狭いけれど、切り替えができる良さもあるそうです。
階段に、上下のアクセスツールとしての用途だけでなく、『空間や活動の間仕切り』『飾り棚』『ベンチ』など、様々な用途を加えることで、部屋の使い方も多様性が生まれるようです。
螺旋階段は、壁の高さも取れるため、絵や写真を飾ると映えますね。視線もくるくる移動するので、動きがあって、より引き立つ気がします。
外から見られてしまいそうな窓の大きな浴室も…
窓の大きな浴室は、外から見られそうで落ち着かないとの意見をいただくこともあります。
それについては、ブラインドの角度をうまく調整すると、外からは見えなくなるそうです。
そうすると、中からは緑や空が見えて、お風呂に入りながら木々がゆらめくのを見るのは、旅館に来た様な雰囲気を味わえるとのことです。
良い点も悪い点も、バリューアップにつながる貴重な意見
実際に入居していた方からの『この部屋の住み心地のよさ』を伝えることは、内覧時には見えない新しい視点を伝えることであり、それによって入居に前向きになってくれることがあります。
もちろん、インタビューは、良い内容ばかりではありません。
ですが、悪い点は改善点につながります。入居中に気になっていたことが改善できれば、より住み心地の良い部屋にできますし、それは次の入居者へ、新しい価値を提供すること(バリューアップ)になります。
これが、弊社の『入居募集活動は、空室になってから始まるのではなく、入居中から既に始まっている。』と考える所以です。
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1976年生まれ、東京生まれ東京育ちで2人の娘の父です。長く賃貸管理の現場を経験してきました。自身もオーナーとして不動産投資や賃貸経営を行っています。その経験を共有し、皆様の賃貸経営にお役立ていただければと思い本ブログを運営しています。
【保有資格】CPM(米国不動産経営管理士)/(公認)不動産コンサルティングマスター/ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士/管理業務主任者/相続アドバイザー