賃貸経営のトラブルの中でも、オーナーにとってボディーブローのようにジワジワ効くのが騒音問題です。
騒音といっても、そもそも人によって音の許容値も異なります。
音は時間帯や音源(話し声なのか、作業音なのか、音楽やテレビ等によるものなのか)によって、伝わり方が異なるもの。「騒音」なのか「生活音」なのか、しっかり見極めることも大切です。
賃貸管理における騒音問題は、空室につながることもありますので、迅速で適切な対応が求められます。ですが、対応を間違えてしまうと、どちらも退去してしまう可能性があります。迅速でありながら、慎重に時間をかけることも時には必要です。
弊社、青山物産の賃貸管理部門でも、騒音問題は特に慎重に扱うようにしております。
賃貸管理の騒音問題対処事例(夜の営み)
以前あったクレームの連絡は、木造2階建て賃貸アパートの2階に住む女性の方から。
「隣の居室の男性入居者が、ほぼ毎晩、夜中に女性と○○〇している音が聞こえる。」
というもの。
夜の営みの声もれです。
騒音問題は、まず、音が発生する時間と音の聞こえ具合を確認するのが基本です。ですが、発生時間も分からない音を、発生するまでその部屋で待つというのは非現実的ですので、弊社では、スマートフォンを持っていれば、入居者に録音してもらうようにしています。
その音を聞き、発生源の推測と、時間帯や音の内容から、騒音といえるかどうかを判断し、対応方法を決めるのが基本なのですが、今回は、とてもではないけれど、お怒りの女性にはお願いできない内容です。
また、夜の営みが、騒音としてとらえられるのかという点もあります。
ひとまず、隣人の男性に電話連絡で、「近隣から夜中に騒いでいるとのクレームがあったので、お友達を呼んで、夜中まで話したりしないように。」と伝え、状況を観察することにしました。
賃貸管理の現場では、入居者間のクレーム対応は、二次的なトラブルを防ぐために、連絡したのが誰であるかは分からないように伝えます。
具体的な内容を伝えたわけではないので、改善されるかどうかが不安でしたが、案の定改善されていないとのこと。
内容を伏せたままでは、改善されそうにないので、連絡してきた方の了承を得て、再度、伝えることにしました。直接会って伝えると、覚えがあるが、そんなに特別大きな声は出しておらず、普通だとのこと。
そんなので声が漏れるなら、壁が薄いのが悪い等の新たなクレームもいただきましたが、木造の共同住宅なので、構造上仕方がないところもあるため、お互いに協力しあってと伝え、隣との壁に寄せていたベッドを反対側に移動(角部屋でよかったです。)するなどの模様替えを依頼し、状況を観察することにしました。
「普通」がどの程度なのか、人によって変わりますので、音声の証拠がないと、クレームが過剰な反応なのか、実際に声が大きいのか判断が難しくなり、どちらにも毅然とした対応が取れなくなります。
どちらかに肩入れするわけにもいけないので、「こういうクレームが出たから気を付けてね」というお願いを、電話や面談で根気よく伝えていくことになります。
暫くは音に関する連絡はなくなったので、改善したのでしょうか。女性は結局退去してしまいましたが、転居理由は、騒音問題ではなかったので、詳細は不明です。
いまでも、その時の対応がどうだったか振り返り、違った対応方法がないか模索していますが、ひとによって不快に感じる程度が異なる問題の、対応の難しさを教えてくれる一件でした。
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1976年生まれ、東京生まれ東京育ちで2人の娘の父です。長く賃貸管理の現場を経験してきました。その経験をこのサイトでお伝えしていきますので、皆様の賃貸経営にお役立ていただけましたら幸いです。
【保有資格】CPM(米国不動産経営管理士)/(公認)不動産コンサルティングマスター/ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士/管理業務主任者/相続アドバイザー