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キャッシュフローツリーを使った購入前の区分マンション分析

お客様から購入を検討している投資用不動産について、購入してもよいかどうかの判断を聞かれることがよくあります。
不動産投資は、お客様の目的によって、物件の良し悪しが変わるものですが、そこは一旦置いておいて、端的に物件の力を判断するときに、私たちの思考がどのように働いているのかを紹介します。

例:浅草駅から徒歩9分、平成3年築、25平米 1380万円の広めのワンルーム。

オリンピック後は、価格が下がると言われておりますが、浅草辺りは国際的な展開が期待されるエリアです。
個人的には価格が上がるのではないだろうかと考え、物件を買いました。今はお値打ち感があるので、この辺りの投資物件の購入をお客様にもお勧めしています。

この物件をどのように分析していくかを書いてみようと思います。当サイトでも紹介していました、キャッシュフローツリーを用います。
ここでは融資利用せずに現金購入時のシミュレーションをしてみます。

キャッシュフローツリーを用いた投資用不動産購入のシミュレーション

■■現金購入の場合のシミュレーション■■
物件価格:1,380万円
諸費用:100万円(概算)
総初期費用:1,480万円

■収入の部(月額)
賃料:79,000円

■支出の部(月額)
管理費:5,610円
修繕積立金:6,120円
固定資産税・都市計画税(概算):3,560円(年間額÷12ヵ月)
賃貸管理手数料:4,266円(賃料等の5%+税)
その他:0円
支出合計:19,556円

■収支(年額)
年間賃料(GPI):948,000円
▲空室率5%:47,400円
▲年間運営費(OPEX):234,672円
=営業純利益(NOI):665,928円
▲年間返済額(ADS):0円
税引前CF(BTCF):665,928円

■投資分析
表面利回り:6.87%(年間賃料÷物件価格)
自己資金利回り(CCR):4.5% BTCF÷自己資金
※総収益率(FCR):4.5% NOI÷(物件価格+諸費用)

【3つのポイント】キャッシュフローツリーを見てどう判断するのか。

1、現在の賃料は適正なのか

ここで確認しないといけないのは、今の賃料が適正なのかどうかということです。
物件の本当の質を見極めるためには、過去の賃貸履歴等を見ることで、適性賃料がいくらかを把握することです。

例えば今の賃貸借契約が、入居時にフリーレント設定をしたり、礼金等の初期費用を安くしたとします。その結果、賃料を適正価格よりも上げることになります。収益還元で売却価格を割り出す投資物件は価格が跳ね上がります。※収益還元法(IRVの法則)については、別の記事で。

この物件については、内装次第ではありますが、若干割安なイメージ。とはいえ、違和感はありません。

2、CCRが4.5%をどう考えるか

CCRとは、Cash on Cash Return(自己資金利回り)のこと。要するに自己資金の何パーセントで運用できるのかという指標。今回のケースでは、1,480万円を投資して、66.5万(BTCF)を得ることができるので、66.5万÷1480万円=4.5%になります。

投資の世界では、この指標を一番に考える人が多いのではないでしょうか。

もし、株や投資信託で4.5%以上の運用ができるのであれば、それに投資をした方がいいと思います。逆に4.5%以下であれば、この不動産への投資もアリということになります。つまり、手元の資金効率の話になる訳です。中には4.5%ぐらいでは、面白味がないという方なら、違う方法での投資をするべきです。

3、市場価値について

不動産は「土地価格+建物価格」で成り立っています。
建物はどこにあっても、RC(鉄筋コンクリート造)なら47年で償却されるとしています。
(使用価値の考え方とは別の話)

しかし、土地の価格は、場所により上下します。つまり、立地がポイントになります。

価格を維持しやすいエリア、もしくは将来的に上がっていくエリアを選ぶことが理想です。
もちろん、それを見極めるのは簡単ではありませんが、ひとつの大きなポイントとして賃貸需要を考えることは賢明でしょう。

【ポイント】
・適正な賃料を見極めることで、物件の本当の力を判断する

・投資効率、自己資金利回り(CCR)で考え、自分ができる他の投資と比べてみる。

・土地価格が値下がりしにくそうなエリアを選ぶ。
ポイントは賃貸需要。利回りのだけで判断せずに、その物件の需要が低く、空室率が高ければリスクが上がってしまいます。利回りが高い物件は、裏を返せば、利回りが高くても売りたい物件とも考えられるわけです。

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