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自宅として利用していた戸建を、事務所や店舗可として賃貸募集する際の注意点

ご自宅の一部を改装して事務所や店舗にしたり、所有している空き家を事務所や店舗可として賃貸したいというニーズは少なからずあるようです。

古民家や昭和の雰囲気の残る家屋を、事務所や店舗可で貸し出し、保存活用する活動も見かけるようになりましたし、働き方の多様性から、自宅兼事務所や戸建てやマンションの一室を利用した小さいオフィス、店舗の需要も増えてくると思います。

管理会社である弊社でも、居住用をSOHO利用可、事務所利用可で入居者募集することもあります。

ですが、全ての建物が事務所や店舗に転用できるわけではありません

建物の建っている地域には、環境を守り効率的な活動が行われるように、住居系、商業系、工業系と、全部で13種類の用途地域が定められ、それぞれの目的に応じて、建てられる建物の種類や用途が決められています。

事務所や店舗に転用する場合には、事前にその建物が建っている地域にどういった用途制限があるかを確認しましょう。

今回は、うっかり見落としがちな、用途地域、特に第一種低層住居専用地域での用途制限に関する注意点について解説します。

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第一種低層住居専用地域で事務所・店舗可として貸すときの制限

第一種低層住居専用地域は、低層住宅の良好な住環境を守るための地域で、2階建て程度の高さの戸建て住宅やアパートが建ち並ぶ地域です。

住宅地としての環境を維持するため、音や臭いが出るもの、人の往来が激しくなるような施設は制限され、事務所や店舗はほぼ不可ですが、住宅兼事務所、住宅兼店舗というような兼用住宅で要件を満たしていれば可能です。

兼用住宅とは、延べ面積の2分の1以上を住宅として利用し、事務所もしくは店舗として利用する部分の面積が、50㎡以内であり、また、住宅と事務所・店舗部分が構造上一体となっているものです。

兼用住宅の用途については、建築基準法第130条の3項に定められています。
以下、可能な用途の抜粋です

  1. 事務所(汚物運搬や危険物運搬用自動車その他これらに類する自動車で国土交通大臣の指定するもののための駐車施設を同一敷地内に設けて業務を運営するものを除く。)
  2. 日用品の販売を主たる目的とする店舗又は食堂若しくは喫茶店
  3. 理髪店、美容院、クリーニング取次店、質屋、貸衣装屋、貸本屋その他これらに類するサービス業を営む店舗
  4. 洋服店、畳屋、建具屋、自転車店、家庭電気器具店その他これらに類するサービス業を営む店舗※
  5. 自家販売のために食品製造業(食品加工業を含む。以下同じ。)を営むパン屋、米屋、豆腐屋、菓子屋その他これらに類するもの※
  6. 学習塾、華道教室、囲碁教室その他これらに類する施設
  7. 美術品又は工芸品を製作するためのアトリエ又は工房※
    ※原動機を使用する場合には、そ出力の合計が0.75kw以下のものに限る

まとめ

簡単にまとめると、

第一種低層住居専用地域では、事務所や店舗のみとして利用することや、兼用住宅であっても50㎡を超えるような事務所・店舗の使用もできないということになります。
ですが、自宅と兼用し、50㎡以下のスペースであれば、教室や塾(学習塾、英会話教室や手芸教室、書道教室、ピアノ教室など)、美容院や床屋、お菓子屋やパン屋などの営業は可能となります。

第一種低層住居専用地域以外にも、住居系用途地域には、

  • 第二種低層住居専用地域
  • 第一種中高層住居専用地域
  • 第二種中高層住居専用地域
  • 第一種住居地域
  • 第二種住居地域
  • 田園住居地域
  • 準住居地域

があり、事務所や店舗の面積・用途について制限があります。

用途制限について確認しないまま賃貸してしまうと、後日営業許可が取れないことが発覚したり、事務所として利用できないことが分かり、入居者に迷惑をかけるだけでなく、大きなトラブルに発展することもありますので、必ず事前に確認するようにしましょう。

用途地域については、市区町村のホームページで確認できます。

余談ですが、住居系の古民家や歴史的建築物は、第一種低層住居専用地域に建っていることも多く、用途制限により商業施設への転用ができずに、承継が上手くいかないケースが多いです。
古民家や歴史的建築物は、維持費もかかり、個人の住宅として利用しながら維持していくのは困難で、商業施設として、収益を上げながら保存していくことがどうしても現実的です。

町並みの形成に寄与してきた歴史的建物については、近隣の方々の理解を得ることは必要かもしれませんが、制限を緩和し、保存活用の道筋が増えればいいなとも思います。

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