fbpx

自主管理のオーナーがやってしまいがちな5つの穴

自主管理のオーナーがやってしまいがちな5つの穴

自主管理とは、賃貸物件のオーナーが不動産管理会社に管理を委託せず、賃貸経営に関する業務の全てを、自ら行う管理方法です。物件の賃貸募集から入居者対応、家賃管理、修繕やメンテナンス、さらには法的な手続きまで、全てオーナーが対応します。

自主管理では、委託管理で発生する管理業務委託費用が掛かりませんので、管理コストを抑えられるというメリットがある一方で、専門知識や法的知識を自ら収集しなければならず、また、入居者対応も自ら行うため、時間と労力が必要となり、対応やリスク管理がおろそかになり、トラブルが発生しやすくなるというデメリットもあります。

自主管理の最大のメリットは、管理費用を削減できる点です。通常、管理会社に業務を委託すると、賃料の数3~5%の管理業務委託費が発生しますが、自主管理では発生しません。また、入居者とのコミュニケーションをオーナー自らが行うことで、信頼関係を築きやすいという利点もあります。さらに、オーナーが物件に関する全ての意思決定を行うため、物件運営の自由度が高いというのも魅力です。

一方で、時間や労力を掛けなければならなくなるというのが、自主管理の大きなデメリットです。オーナーは、物件の維持管理、家賃回収、入居者対応、さらには法的な問題にも対応しなければなりません。

本業が別にあり、本業でも時間を取られるオーナーにとって、これらの対応を全て自分で行うことは、精神的にも肉体的にも負担が大きくなります。また、専従のオーナーであっても、専門的な知識が不足している場合、法的トラブルに発展したり、物件の維持管理に目が行き届かず、資産価値を低下させてしまうというリスクも考えられます。

この記事では、今まで弊社に相談に見えた自主管理のオーナーが、自主管理によって陥っていた5つのポイントを紹介し、失敗を避けるための対策を解説します。

この記事のポイント

  • 複数の不動産会社と取引することで、契約関係の整理ができなくなってしまうことがある。
  • 家賃の入金管理に漏れがあったり、物件の維持管理がおろそかになったりしがち。
  • 知識不足で、建物が法令違反の状態になっていることを気づかず放置してしまうことも。

青山物産の賃貸管理は空室率50%が3ヶ月で満室に。高い入居率と安定した賃貸経営をCPM(米国賃貸経営管理士)がサポート

1.複数の賃貸仲介会社(客付け会社)に募集活動を依頼しがち

自主管理といえども、借主の募集については賃貸仲介会社(客付け会社)に依頼することになります。

管理会社に管理を依頼している場合では、管理会社が元付け業者となって、募集活動を行いますが、自主管理では、オーナーが、募集活動を行ってくれる賃貸仲介会社を探し、直接依頼します。

そして、自主管理のオーナーは、複数の賃貸仲介会社に依頼しがちです。

競争原理が働き、各社が力を入れてくれると考えての事のようですが、不動産会社にとっては、競合が増えることで、成約報酬を得られる確率が低くなり、力を入れる優先順位を下げることもあるようです。
また、他業者が自社サイトやポータルサイトへ掲載することも不寛容となり、結果として、情報を拡散できないといった状況に陥ることもあります。

最近では、オーナーがSUUMOやHOME‘S等の不動産ポータルサイトに直接物件掲載できる「ECHOES」というサービスや、オーナーが直接物件投稿できる「ウチコミ!」「ジモティー」といった不動産サイトも出てきましたが、これらのサービスを利用しても、内見や契約手続きは、それらサービスの提携不動産会社が行うことになります。
これらのサービスは、入居者へ直接物件紹介はできますが、不動産業者間の流通サイト「レインズ」へは掲載されず、不動産会社への訴求はできませんので、情報拡散ということでは、限定的です。

一社に専属的に入居者募集を依頼することを、リスクと捉えて自主管理を行い、自ら主導して入居者募集を行なうオーナーもいます。その一社の営業力によって、入居率に影響が出てしまうということが理由のようです。

しかしながら、複数の賃貸仲介会社に依頼することで起こりえるリスクもあります。

後者のリスクを簡単に説明しましたが、その他にも、以下のような問題が発生する可能性がありますので、把握しておきましょう。

1.1.募集条件や契約内容を管理できておらず、部屋ごとにバラバラ

複数の賃貸仲介会社に依頼すると、賃貸仲介会社ごとに、募集条件が異なっているということも、よくあることです

さすがに家賃や共益費、敷金、礼金が異なることはありませんが、火災保険料、鍵の交換費用、24時間サポートサービス、保証会社の保証料などの、契約時の諸費用は、賃貸仲介会社が提携している会社や条件によって変わるため、仲介会社ごとに諸費用が異なるということも、稀ではありません。

諸費用の違いが、直接大きな問題に結びつくということはありませんが、オーナーがそれぞれの契約内容を把握できずにいることで、そこから問題が発生するというケースも考えられます。

自主管理のオーナーがやってしまいがちな5つの穴

例えば、入居募集で反響がよくないと、各社から条件変更の提案があります。「賃料を下げた方がいい」「敷金・礼金を0にした方がいい」から始まり、「ペット飼育可にしませんか」「SOHOや事務所利用OKにしましょう」等、各社が受けた要望を、そのまま提案してくることもあります。

オーナーも、それで決まるのであればということで、深く考えずに承諾してしまうと、「元々ペット飼育不可の物件だったのに、一部屋だけペット可にしてしまった」「その部屋だけ、SOHOや事務所としての利用を許可してしまった」という事態も起こりえます。

借主とのトラブルに発展することもありますので、オーナー自身が募集条件や契約内容を十分に理解し、管理していくことは大切なことです。

1.2.家賃保証会社が部屋ごとに異なる

家賃保証会社が部屋ごとに異なるケースも、後々問題になりやすいことのひとつです。

家賃保証会社は、仲介会社経由で申込みから審査、保証契約を行います。そのため、借主を決めた仲介会社の指定になることが一般的です。

当然、複数の不動産会社に客付けを依頼していると、部屋ごとに家賃保証会社が異なります。

保証会社が異なることで問題になるのは、家賃滞納が発生した際に、保証会社への連絡や代位弁済報告手続きに手間取り、対応が遅れてしまうことです。代位弁済報告は、滞納発生から○日以内と期限が定められていますが、この代位弁済報告期限は、保証会社ごとに、「翌月の〇日迄」「滞納発生から○日以内」と規定が異なります。

この期限を過ぎてしまうと、保証会社の保証の対象外となり、折角保証会社を入れていても、回収できない家賃が発生し、収益に影響が出てしまいます。

また、月々の家賃の支払い方法についても、利用する保証会社によって、入居者がオーナーの口座に直接振り込むケースと、保証会社が口座引落を行い、家賃保証会社名義でオーナーの口座に振り込むケースとがあります。

どの振り込みが、どの借主の何月分の家賃なのかを把握しづらく、家賃収納管理が難しくなり、それによって家賃滞納が発生することも考えられます。保証会社をできるだけ統一するか、借主と保証会社を紐づけて管理し、家賃滞納時の対応方法を事前に把握しておくことが重要です。

1.3.更新手続きの漏れ

更新手続きの漏れも自主管理のオーナーが陥りやすい問題です

自主管理では、賃貸借契約の更新手続きは、契約手続きを行ってくれた仲介会社に依頼するケースと、オーナーが自分で行うケースとがあります。

前者では、仲介会社が更新時期に連絡をくれ、手続きを進めてくれることもありますが、管理会社ではありませんので、更新時期を管理していないこともあります。後者の場合は、オーナーが自ら更新時期を管理し、借主への連絡や更新書類の作成、契約手続きを行わなければなりません。

オーナーが更新時期を把握しておらず、更新契約がおこなわれないままでいると、法的に不備が生じてしまい、大きな問題に発展するリスクも考えられます

過去に相談に見えた自主管理オーナーのケースでは、ある時期から更新手続きが行われておらず、法定更新の状態になっていて、借主の所在も不明で、入居者とも新たな賃貸借契約が結べないという状態が何年も続いていました。

これでは、場合によっては、退去もさせられず、更新料も受け取れず、賃貸借契約がない状態ですので売却も不利になるという状況に陥ることになります。

更新契約は、数年ごとに行われ、借主への連絡は、その数ヶ月前に行います。期間が空くことで、スケジュール管理が難しくなりますが、とても重要なことですので、漏れなく対応できるような仕組みづくりをお勧めします。

1.4.連帯保証人の抜け落ち

2020年4月の民法改正により、賃貸借契約に連帯保証人を求める場合には、連帯保証人の保証する債務の極度額を定めることが必要となりました。

極度額が定められていない場合は、保証契約は無効となり、連帯保証人不在の状態となります。民法改正以前に締結された保証契約は、極度額が設定されていなくても、そのまま有効とされます。

自主管理オーナーがやってしまうミスは、賃貸借契約の更新時に、保証契約も更新してしまうことです。それも、極度額を定めないままに。

そうすると、保証契約は無効となり、連帯保証人が不在の状態となりますので、借主に滞納が発生しても、賃貸借契約当初に連帯保証人として契約していた人に、支払いを求めることはできなくなります。

2.家賃の入金状況を把握できていない

家賃の入金状況が把握できていないというケースは、自主管理のオーナーによくみられる問題です。
賃貸管理会社では、家賃の収納状況は、月額費用を支払い、管理システムを導入し管理していますが、自主管理オーナーは、ご自身で、紙やエクセルで管理表を作成し、その都度記載して管理している方が多いようです。

この様なケースでは、振込名義と借主の名前が一致していれば把握しやすいのですが、先にも述べました、保証会社の口座引落を利用している場合、一括で振り込まれるため、借主と振込金額が分からなくなることがあります。

自主管理のオーナーがやってしまいがちな5つの穴

家賃滞納が発生した場合、借主への連絡は当然ですが、連帯保証人や家賃保証会社への連絡、手続きといった対応も、迅速に行わなければなりません。滞納期間が長くなるほど、賃料の回収が困難になるからです。

毎月定期的に行うことは、簡単そうに見えて、人によっては、骨の折れる作業で、ストレスも感じます。

管理について相談に見えたオーナーでも、家賃の収納管理がうまくできておらず、支払時期がずれたままになっている借主もいたということも、珍しくありません。こういったことが滞納に繋がりますので、家賃の収納管理は、大変に感じても、しっかり行いましょう。

青山物産の賃貸管理は空室率50%が3ヶ月で満室に。高い入居率と安定した賃貸経営をCPM(米国賃貸経営管理士)がサポート

3.物件の維持管理がしっかりできていない。

物件の維持管理に目が行き届いていないと、物件の資産価値が損なわれ、長期的な賃貸経営に悪影響を及ぼします。

日々のことで例を挙げると、定期的な清掃や植栽の剪定は、維持管理の基本的なものです。これを怠ると、建物全体の清潔感が失われ、美観を損なうことになります。これは入居者にとっては、住環境が悪化していることになり、入居満足度の低下や退去にも繋がることですし、新規募集の際にも、入居を躊躇う原因にもなります。

過去にも、入居が決まらないと相談いただいたオーナーの物件で、建物周辺に放置されていた残置物を撤去し、清掃を入れたところ、すぐに入居が決まり、その後も安定した入居率を維持できているという事例もあります

大掛かりなものでは、外壁塗装や外壁補修、防水工事といった大規模修繕工事です。錆びた階段、割れたり浮いたりしているタイル、劣化した外壁シーリング、破断した防水層などは、漏水や強度の劣化など、構造的な問題につながることがあり、物件の寿命を短くしてしまいます。

自主管理のオーナーがやってしまいがちな5つの穴

後々行えばいいやと、メンテナンスの繰り延べを行っていると、発生する修繕費用が大幅に増加する可能性があるだけでなく、修繕工事を行うことが難しいという状況に陥ることもあります

このような問題を防ぐためには、定期メンテナンスや修繕の実施計画を立てることが非常に重要です。定期的な清掃や、植栽の管理を行うことで、物件の見た目を常に良好に保ち、入居者にとって快適な住環境を提供できるだけでなく、建物の点検も定期的に行えますので、修繕が必要な箇所を早期に発見できます。

また実施計画によって、いつどのような費用が必要になるかも把握できますので、修繕費用を計画的に積立で、準備しておくことが可能となります。

4.法令や条例などの知識不足から、知らないうちに違法の状態になっている

法令や条例に関する知識の不足から、思いがけない法的トラブルを引き起こす可能性もあります。

オーナーには、建物の規模や用途、設備に応じ、法的に定められた点検を行う義務が生じますが、知ってか知らずか、実施されていない建物もありました。また、法定点検は実施していても、飲食店や物販店を入居させてしまい、知らずのうちに建物全体が消防法に違反する状態になってしまっていたというケースもありました。このケースでは、新たな消防設備の導入が必要となり、オーナーは、余計な出費に悩んでいました。

用途地域の用途制限に反してしまうケースも、自主管理オーナーが陥りやすい問題です。例えば、第一種低層住居専用地域など、事務所利用に制限がある地域で、事務所として入居させてしまうと、入居後に、トラブルに発展する可能性があります。

法令や条例の遵守は、物件の安全性を確保し、健全な賃貸経営を行うためには、欠かせない要素です。これらを怠ることで、重大なトラブルを引き起こしてしまったり、経済的損失を被るリスクもあるため、定期的に法令や規制を確認し、必要に応じて専門家に相談することが重要です。

5.入居者への対応が悪くトラブルに発展しがち

健全な賃貸経営には、借主や入居者と、よいコミュニケーションを取っていく必要がありますが、コミュニケーションに慣れていないオーナーは、高圧的な物言いになったり、対応せずに放置してしまったりと、信頼関係が悪化してしまうこともあるようです。

特に、「貸してあげている」という心構えのオーナーには、自分の立場を強調しすぎたり、入居者の意見や要望を軽視したりする方もいます。また、最初は丁寧に対応していても、要望が重なることでオーナーもストレスを感じるようになり、感情的な対応を取ったり、問題を放置してしまったりということもあります。

自主管理のオーナーがやってしまいがちな5つの穴

入居者との関係が悪化することは、退去に繋がるだけでなく、物件の口コミサイトに悪い評判を書かれてしまい、その後の入居募集に影響が出ることもあります。

トラブルに発展させないためには、迅速に対応することはもちろんですが、絶対に感情的にならずに、相手の話を聞き、こちらの話も聞いてもらえるような、良い関係性を築くことが必要です。

6.まとめ

自主管理による賃貸経営は、運営に掛かるコストが削減できるため、手取り収入が増えるメリットがありますが、適切な管理ができていないと、賃貸借契約や更新管理、家賃収納管理、物件の維持管理、法的手続きや法令順守の点において、問題が発生しやすい状況になってしまうこともあります。

健全な賃貸経営を行っていくには、トラブルを未然に防ぐ回避力、トラブルが発生した時の対応力、入居者とのコミュニケーション力、法令や条例など、賃貸経営に関する情報を収集する情報力など、オーナーには、様々な能力が求められます

自主管理のオーナーがやってしまいがちな5つの穴

自主管理は、費用面でのメリットをもたらしますが、リスク管理が不足していると、賃貸経営に影響を与え、かえって大きな支出をもたらしてしまうこともあります。また、時間的なコストが発生することも否めません。

また、法律や税務、メンテナンスや修繕について相談できるパートナーも、自分で探さなければなりません。問題が発生していない時は、気になりませんが、問題が発生したときに、急遽探すとなると、信頼できるパートナーかどうか、適正な依頼料かどうかを判断することも難しく、余計な負担が掛かることも珍しくはありません。

自主管理がよいか、委託管理がよいかは、長期的な視点で、ご自身の性格や時間的な余裕も踏まえて検討していくと良いでしょう。

青山物産の賃貸管理は空室率50%が3ヶ月で満室に。高い入居率と安定した賃貸経営をCPM(米国賃貸経営管理士)がサポート

家賃査定・空室対策レポートを無料で作成してみよう

空室対策の第一歩として、当社サービス「賃料査定・空室対策レポート」を作成してみませんか?

満室経営戦略レポートでは、累計100億件超の不動産ビッグデータをAI(人工知能)が解析し、あなたの物件だけの「満室経営戦略」をご提案!賃料査定結果、空室対策案(推奨ターゲット、推奨設備、条件緩和案)などを、即時にレポート出力します!

ご利用は完全無料となっており、最短1分程度で入力は完了しますので、お気軽にお試しください。

賃料査定・空室対策

「家賃査定・空室対策レポート」を今すぐ無料で作成するなら、下のボタンをクリック!
約1分で作成できます。

約1分でカンタン入力!
家賃査定・空室対策レポートを作成してみる

空室・滞納・入居者トラブル・建物メンテナンス等々
賃貸管理のご相談・ご質問はこちらから

ひとまずメールで問い合わせたいという方

お問い合わせ
お問い合わせフォームへ

今すぐスタッフに相談したいという方

電話でのお問い合わせ
03-6413-9987

関連記事

  1. 賃貸経営成功のカギ!「データ分析」入門ガイド

    賃貸経営成功のカギ!「データ分析」入門ガイド

  2. 賃貸借契約の更新手続き 法定更新と合意更新の違いをご存知ですか

    賃貸借契約の更新手続き 法定更新と合意更新の違いをご存知ですか

  3. 連帯保証人の極度額、いくらに設定するべき?

    連帯保証人の極度額、いくらに設定するべき?

  4. 入居者インタビューで空室対策の貴重な情報を得よう

  5. 賃貸オーナーには知っておいて欲しい、大規模修繕工事の基本的な知識

  6. 空室物件の紹介に、近隣不動産会社へ訪問営業しました

最近の記事

  1. 賃貸市場の繁忙期に向けた賃貸オーナーの対策は?繁忙期には賃料アップの大チャンス
  2. 投資用不動産としてリースバック物件を購入することについて
  3. 外国人に賃貸して実際に起こったトラブルを紹介
  4. 自主管理のオーナーがやってしまいがちな5つの穴

おすすめの記事

  1. 所有する賃貸住宅をリノベーションすることの効果について
  2. 約する前に知っておきたい、これがあったら注意した方がいいサブリース契約の条文

カテゴリー