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外国人に賃貸して実際に起こったトラブルを紹介

外国人に賃貸して実際に起こったトラブルを紹介

単身向け賃貸物件の入居者募集を行っていると、一度は検討したことがあるであろう、高齢者賃貸と外国人賃貸。

高齢者は、収入が減ることで起こりえる家賃滞納や、社会問題として取り上げられることも多い孤独死問題。外国人は、滞納や無断帰国など、それ以外の入居者に比べて、貸すことのリスクが高いとされています。

今回は、外国人に賃貸し、実際に起こったトラブルと、その時に取った解決方法について書きました。

外国人に賃貸するときに注意しておきたいポイントは、過去の記事をご参照ください。

この記事のポイント

  • 契約外入居者が増えていた契約違反の外国人入居者も円満に退去してもらえる
  • 退去立会に現れなかった外国人入居者の残置物は家賃保証会社を活用して処分
  • 外国人入居者だからではなく、同じことは日本人入居者でも起きている

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1. 知らぬ間に同居人が増えていた

外国人に賃貸し、知らぬ間に入居者が増えていたということは、珍しいことではありません。母国からやってくる同胞に頼られ、一時的のつもりがそのまま同居してしまったり、来日時の拠点として、断続的に迎え入れてしまうということもあるようです。

契約外の人物が、日常的に建物に出入りすることは、建物内の防犯面でも好ましくありませんし、他の入居者にとっては、生活環境の悪化につながることでもあります。また、気づかないうちに契約者が帰国し、入居者が入れ替わってしまうことになれば、契約解除の手続きにも時間を費用が発生することになります。

外国人入居者に限ったことではありませんが、部屋を借りる際の、日本の常識への理解が乏しい、外国人入居者に見られる問題です。

当社の管理物件で、実際にあったひどい事例では、単身入居で契約したはずが、実態は5人で住んでいたというケースです。

発端は、3LDKのファミリータイプに、一人で住むということで、外国人学生が申し込んできたことです。

3LDKに学生が一人で住むということだけで、家賃の支払いの心配の前に、「なんでそんな広さが必要なの?」と、申込者が日本人だとしても、「なんで?」と訝しる内容です。

申込理由を聞くと、来日理由が、日本の芸術的文化の技術を習得するためで、就学先が物件の近くであること。そして、3LDKの広さが必要な理由には、所有する文献を保管したり、技術習得の作業を行うためには、このくらいの広さが必要という、納得はできないが、理解はできる内容でした。

友人を呼んで同居するんじゃないかなという疑念は、まったく拭い切れませんが、就学先というのが、その文化技術の分野では、実績もある方の工房で、その方が連帯保証人として入るということと、オーナーもその方をご存知だということで、オーナーの了承のもと、契約を進めることになりました。

契約前には、申込人と連帯保証人に会い、複数人での居住は不可であることの念押しと、ゴミ出しなど入居中のルールを説明する機会を設け、引っ越し時に、現地で立ち合い、本当に一人で入居するかどうかの確認も行いました。

引越し当日は、数名の外国人男女が手伝いに来ていたものの、申込時に言っていたように、文献の量は多く、家財もひとり分でしたので、間違いなくひとり入居だろうと思っていましたが…

不安が現実になったのは、オーナーからの一本の電話
「あの部屋、いろんな人が出入りしているみたいです…」

オーナーがマンション内に居住している物件で、マンション内で何度か借主と一緒にいる複数人の中国人を見かけたとのこと。

借主に問いただすと、「旅行で来日した友人を泊めただけで、住んではいない」との回答でしたが、暫くしても、状況に変化が見られないため、入室させてもらうと、寝具や家具が複数人分置いてあり、状況から推測すると、各部屋に1人ずつ、リビングに2人の計5人が住んでいる様子。

聞くと、同居人は就学先が同じで、仮住まいさせてもらっているとのことで、明らかに契約違反の状況でした。

オーナーは、すぐにでも出て行って欲しいとの意向でしたので、急遽、借主、同居人、連帯保証人と私の4者で話し合い、早急に退去するように伝えました。

連帯保証人は一緒に住んでいることは知らず、責任をもって退去させると言ってくださり、他に大きなトラブルもなく、退去に至りました。

このケースでは、貸主がマンション内に居住していたため、状況を把握することができましたが、そうでなければそのままになってしまっていた可能性が高いです。契約時に確認しても、確信犯は防ぐことは難しく、怪しい人とは契約しないというスタンスでのぞむほかはありません。

何回も確認し、連帯保証人とも対面で話したにもかかわらず、こういったことが起こることもあります。事前にオーナーとも、発生時の対応について話し合いができており、想定していた通りの対応が早めに取れたのが良かったです。

日本の文化を学ぶために来ていたということもあり、オーナーも私も、疑念は拭い去れないままではありましたが、応援する気持ちもありましたので、残念な一件でした。

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2. 家財を残したまま退去立会いに現れず行方不明

文部科学省のデータによると、外国人留学生の数も、コロナ前の水準に戻りつつあるようです。

賃貸の現場でも、外国人留学生の入居に関する問い合わせも、増えてきたように思います。

ここで紹介する事例は、語学学校に入学するという中国人留学生が、退去時に現れずに、そのまま消えてしまったお話です。

物件は、一般的なワンルーム。近くに語学学校があるという環境のせいか、留学生の入居に関する問い合わせが多く、入居を受け入れていた物件です。

賃料は相場より若干高めですが、外国人留学生にとっては気にならないようで、自然と外国人留学生の入居者が増えていきました。
外国人入居者専用の保証会社を利用したり、日本の賃貸文化を説明する資料を外国語で作成し、入居時に渡すなどし、大きな問題はなく運営していたところで起こった事件です。

入居中は家賃支払いも滞りなく、騒音を出すことも、複数で居住することも、ゴミの出し方が悪い問い打ったこともなく、いたって普通の一入居者でしたが、入居して1年後、急に解約の連絡があり解約届と一緒に送られてきたのが、このメール。

「一時の帰国だと思っていましたが、急に病気になって入院しました。今は日本に帰ることができませんので、部屋が散らかっている状態で退去しなければなりません。水道や電気も解約していないです。ご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした。」

え!退去立会来ないってこと?

退去立会日に必ず入居者が立ち会わなければならないということはありませんが、借主負担分の原状回復費用が発生した場合、内容の承諾をもらえないと、オーナーが負担せざるを得ないこともあります。鍵を全て返却してくれるかどうかも不安です。

確認の返信をしても電話をしても、回答がなく、不安を抱えたまま退去立会日を迎え、現地に行ってみると、、、予想通りの結果でした。

インターホンを鳴らしても反応がなく、ドアノブに手を掛けると、鍵のかかっていないドアがゆっくり開き、目に入った景色がこれです。

退去立会に現れなかった外国人入居者の室内

想定はしていましたが、目の当たりにすると、ちょっと残念な気持ちになります。

一時の帰国と言っていましたが、帰国に持っていきそうな、大きなトランクや洋服・バッグなどもそのままです。パスポートや貴重品類は無かったので、軽い荷物で帰国したのかもしれませんが、それにしてもやたらと荷物が多いので、違う理由も想像してしまいます。

室内から異臭はありませんでしたが、ブレーカーが下りた状態で放置されていた冷蔵庫の中のものは、しっかり腐り、開けた瞬間とんでもない臭いが広がりました。

いずれにしても、この荷物は早めに撤去して、原状回復工事、新規募集と新たに入居者を決める手続きを行わなければなりません。

このケースでは、解約届に、残置物があった場合の処分・所有権放棄についての記載があり、承諾のサインをいただいていましたので、処分することに問題はありません。保証会社に加入していたこともあり、保証会社の手配&費用負担で、1週間以内で入居前の状態に戻り、そこからクリーニング&入居募集で、1ヶ月程度の空室期間で、オーナーの負担もなく解決できました。

音信不通で、退去立会に現れなかったのは困りますが、解約届を返送し、鍵も置いていき、室内も荒れることなく使ってもらえていたのは、救いでした。

以前、入居者(日本人)が失踪してしまったケースでは、音信不通&家賃滞納&保証会社なしのトリプルパンチに加え、連帯保証人も失踪という、全てが無い状況でした。もちろん解約の連絡もありませんので、契約解除の手続きから家財の撤去まで法的手続きを踏んで行い、費用はすべてこちら負担という、最悪の事態を経験したこともあります。

オーナーにとっては、どちらもトラブルですので、比較するものでありませんが、今回のケースでは、家賃保証会社のおかげで、スムーズに手続きを進めることができました。

外国人入居者は、帰国してしまうと、一切連絡が取れなくなると考えた方が良いです。家賃保証会社を契約の必須条件とすることで、そういう事態になったとしても、慌てることなく、次の入居募集に向けて進むことができます。家賃保証会社も、外国人向けの会社であれば、それぞれの言語で対応してくれますので安心です。

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3. ごみ出し・分別のルールを守らない

ごみ出し・分別のルールを守らないというのは、よくあることです。ゴミ出しや分別のルールは、地域によって変わりますので、日本人であっても、間違うことはよくあります。ゴミ捨てのルールが異なる外国からやってきた入居者なら、余計ですね。

分別がなされていないゴミは、回収してくれません。当然ですが、収集人は誰が出したかに関わらず、分別がなされていないゴミは、回収しません。日本人であろうと外国人であろうと容赦なしです。

対処方法は一択。「徹底して理解を求める」です。

入居時には契約書類と共に、ゴミ出しに関するルールを記した書類を渡して説明し、入居中に分別されていないゴミを出したら、ルールを守るよう通知する。こういうことを繰り返していくしかありません。

最近では、自治体のホームページでも、簡易版ではありますが、多様な言語でのゴミ出しルールを記したパンフレットをダウンロードできますので、日本語の詳細が記載されたパンフレットと、入居者の母国語のパンフレットを一緒に渡すと良いでしょう。

入居中のゴミ出しについては、日本語が理解できない入居者には、外国人向けの保証会社から注意してもらうことも可能です。外国人向けの家賃保証会社は、家賃保証だけでなく、入居時の連絡も行ってくれますので、利用をお勧めしています。

4. まとめ

今回は、外国人に賃貸し、実際に起こったトラブルと、その時に取った解決方法について紹介しました。
外国人留学生の数が、コロナ前の水準に戻りつつある状況では、外国人入居者の受け入れていくことが、安定した賃貸経営を実現するための要因となり得ます。

管理の現場で対応していて思うのは、トラブルは、人柄によるものであって、国籍を問わないということです。

今回、トラブル事例として、「知らぬ間に同居人が増えていた」件と、「家財を残したまま退去立会いに現れず行方不明」の件の、2つの事例を紹介しましたが、どちらも、日本人入居者でも起こった出来事ですし、家賃保証会社を利用したり、それ以外の対策を準備しておくことで、オーナーが多額の費用を負担したり、他の入居者や建物に被害が出るような、大きなトラブルにはなりませんでした。

言語と文化が違うことで、トラブル発生時の対応方法に不安を感じ、心理的に距離を置いてしまうこともあるかもしれませんが、対応策を準備し、外国人入居者向けのサービスを利用することで、ハードルを下げることができます。

相場より高めの賃料で入居してくれることもありますので、まだ、外国人入居者を受け入れたことはないというオーナーは、一度検討してみてはいかがでしょうか。

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