長く賃貸管理の現場を経験してきました。自身もオーナーとして不動産投資や賃貸経営を行っています。その経験を共有し、皆様の賃貸経営にお役立ていただければと思い本ブログを運営しています。1976年生まれ、2人の娘の父です。
【保有資格】CPM®(米国不動産経営管理士)/(公認)不動産コンサルティングマスター/ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士/相続アドバイザー
【前回の記事:不動産価格と融資の関係の続きです】
不動産が上昇基調のタイミングで、買うのは得策ではないか?
私は買いました。
確かに、株のように下落した時に買いたいのは本音。
「これから不動産は下がるんだから、安くなってきたら買えばいいじゃん」と言えるのは、現金を潤沢に持っている人だけ。
前回の記事で、私がこの時期に買った理由は、銀行融資が大きく関係するとお話ししました。
それとは別に、なぜ不動産投資(賃貸経営)だったのか、4つの視点からお話しします。
私は、不動産業に従事しているので、物件も人より多く見ていますし、勘所は押さえている(特に区分マンション)つもりですが、それでは、再現性が低いので、誰でも取り入れることができる、考え方をまとめてみます。
1.早く取得し時間を買うこと
目標キャッシュフロー(以下、CF)がある場合、50歳からスタートする投資と、30歳からスタートする投資では、手段が変わってきます。
例えば、目標が退職する60歳までに、CFを月に50万円作る場合、スタートする年齢により、投資へのリスクの取り方が変わってくるのは明らかです。
時間を買うというのは、「打てる手を増やす」ことです。
また、銀行に対し、返済実績を付けていくことも、時間を買うことになります。
2.賃料には硬直性があること
不動産価格が下落基調の時でも、賃料がすぐに下がることはありません。むしろ、維持していることの方が多いので、キャッシュフローは安定しやすいです。
逆に、物件価格が緩やかに上昇したとしても、契約上すぐに賃料アップすることは難しいでしょう。例えば、契約更新のタイミングで切り出す等、タイムラグが出ますし、退去することを恐れて、上げないケースがほとんどです。
これは、オーナーの心理や状況によっても変わってきます。
いずれにしても、賃料の硬直性は、賃貸経営リスクを減らします。
3.ローン返済することで元金が減っていく
毎月のローン返済は、元金と利息に分かれます。
例えば、1500万円を25年、2.5%で借りたとすると、10年後のローン残債は、1,009万円です。
賃貸経営では、毎月の手残り(PL)を考えがちですが、純資産(BS)を見ていくことも大切です。簡単に言うと、「純資産=現在の市場価格-ローン残債」です。市場価格が一定であれば、「毎月得ているCF+元金返済分」が、純資産として積みあがります。元金は資本的支出なので、売却時に戻ってくるお金という考え方もできます。※利息は、消費的支出。
ローン返済額だけに着目するのではなく、
・年間で元金をいくら返しているのか
・今の市場価格は、いくらくらいで売却可能なのか
つまり、今売ったら、いくら手元に残るのかという視点。
「この物件の純資産がどのくらいなのか」と考えることが大切です。
4.経験値を増やす
不動産は、保有しなければわからないことがたくさんあります。
空室、滞納、設備故障、入居者トラブル等がつきものです。もちろん、管理会社に委託することはできますが、あくまで委託であり、当事者は常にオーナーです。
また、契約更新、室内の原状回復、リノベーション、売却と様々な動きがあります。
経験値を増やした方が、賃貸経営レベルはあがり、更によい投資ができるようになるでしょう。
特に良い物件を購入する場合は、スピードが命です。その場合、すぐに決断を下せなければ、他に取られてしまいます。これも、経験値からくるものです。
ポイント
・不動産は、売却して初めて、投資が成功だったかどうか判断できる。
・時間を味方につけ、経験値をあげる
・CFだけに着目せずに、今の純資産について考える
- メールでのお問い合わせ
- メールでのお問い合わせはこちらから
お問い合わせフォーム
- 電話でのお問い合わせ
-
営業時間:9:00-19:00
定休日:毎週水曜日