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不動産賃貸経営の自主管理に向いている人、向いていない人

不動産賃貸経営の自主管理に向いている人、向いていない人

賃貸管理は不動産賃貸経営において重要な仕事のひとつです。管理の質によって、空室リスクや家賃減額リスクが発生することがあるからです。

これから投資用不動産の購入をお考えの方の中には、賃貸不動産管理を自主管理にするか委託管理にするかで、迷う人も多いのではないでしょうか。

また、今まで自主管理で経営していた賃貸不動産を相続で取得した方、自主管理の不動産を相続する予定で、相続後にそのまま自主管理で経営するか、委託管理に変更するかでお悩みの方も多いかと思います。

この記事では、賃貸不動産の自主管理にスポットを当て、メリットとデメリット、向く人と向いていない人について解説します。

自主管理か委託管理かでお悩みの方には、お悩み解決のヒントがありますので、是非ご一読ください。

自主管理のメリットとデメリット

まずは、自主管理のメリットとデメリットを比較してみましょう。
主なメリットとデメリットは次の表の通りです。

自主管理のメリット 自主管理のデメリット
  • 管理費用が抑えられる
  • 入居者とのコミュニケーションが取り易い
  • 客付けを直接依頼できる
  • 賃貸経営ノウハウを習得できる
  • 煩雑な業務を自分でしなければいけない
  • 資産価値が落ちる可能性がある
  • 入居者の不満を募らせる可能性がある
  • 精神的なストレスが溜まりやすい

次に、自主管理のメリットとデメリットをそれぞれ解説します。

自主管理のメリット

まずは自主管理のメリットについて解説します。

管理費用が抑えられる

自主管理のメリットのひとつに「管理費用が抑えられる」があります。自主管理を行う賃貸オーナーが、自主管理を選択する大きな理由が、これです。

賃貸管理を管理会社に委託するならば、毎月家賃等の3%~5%の管理業務委託費用が発生しますが、
自主管理であれば費用は発生しませんので、その分利益は上がります。

管理業務委託手数料が賃料等の5%の場合、月額賃料が6万円では、毎月3,300円(税込)、10万円では、毎月5,500円(税込)となりますが、自主管理ではその分の支出を減らすことができます。

入居者とのコミュニケーションが取り易い

入居者とのコミュニケーションが取り易い点もメリットのひとつです。

自主管理では、設備故障や入居者間のトラブル等、入居中のクレーム対応は、賃貸オーナーが行います。そのため、入居者と連絡を取る機会が多くなり、距離は近くなります。

入居者とのコミュニケーションを直接取ることで、入居中のリアルな情報や不満を聞くことができますので、改善できるとことは改善し、入居中の不満を軽減することで、不要な退去の軽減にもなりますし、次の入居者のためのバリューアップにも繋げられます。

客付けを仲介会社に直接依頼できる

賃貸経営の肝心な部分である入居者募集は、自主管理の場合、賃貸オーナーが、直接不動産仲介会社を探し、選別し、依頼する必要があります。

不動産仲介会社へは、一社でも複数社でも、依頼することができますので、ご自身のの物件に合った会社選びが可能です。

不動産仲介会社はそれぞれが特色を持っています。ネット営業に特化した会社、地域に密着した会社など様々です。
探したり、選別したり、依頼したりする作業は大変ですが、物件に合わせて会社を選べるので、長く付き合いができる良い会社に巡り合えれば、安定した賃貸経営を行う上で、よいパートナーになってくれるでしょう。

賃貸経営ノウハウを習得できる

自主管理では、賃貸不動産の経営ノウハウが身に付きやすくなります。
当然のことですが、自主管理の場合、設備故障や不具合の対応や入居中のクレーム対応は、賃貸オーナーが自身で対応することになります。

設備の故障や不具合については、故障や不具合の状況確認、交換が必要であれば、品番を確認し業者への発注業務、入居者との工事日程の調整といった業務が発生します。また、発注先の業者が信頼できる業者かどうかの見極めも必要です。

入居中のクレーム対応は、感情的になっている入居者と向き合うこともありますので、高度なコミュニケーション能力が求められます。また、クレーム内容によっては、法的な知識が必要となり、それに基づいて対応する力が必要なこともあります。

業務委託の場合は、管理会社がこれらの対応を、責任をもって行いますが、自主管理であれば、賃貸オーナーが自らの責任で対応しなければなりません。

最初は戸惑うこともあり、知識や経験を習得する過程では、時間も労力も使うかもしれませんが、対応を積み重ねることで、より実践的な賃貸経営ノウハウを習得することが可能です。

自主管理のデメリット

次に、自主管理のデメリットを挙げてみます。

時間を選ばずやってくる煩雑な業務を自分でしなければいけない

賃貸管理の仕事は、業務の幅が非常に広く、知識やコミュニケーション能力が求められ、そして煩雑です。
入居者募集や契約手続き、更新状況管理、家賃の集金から建物の維持管理、更には入居者からのクレーム対応までも含みます。クレームの中には簡単に終わらない内容のものも多いです。

クレームは時間を選ばずやってきて、そして迅速な対応が求められます。対応が悪いと、更なるクレームや退去を引き起こしますので、忙しいからと言って後回しにすることはできず、クレームの内容を精査して、対応方針を慎重に決めなければなりません。

故障や不具合の連絡であれば、内容を確認し、補修で済むのか交換が必要なのかを判断し、適切な業者へ依頼します。民法改正により、不具合による使用できない設備があると、当然に賃料減額されることになりました。対応の遅れることで、入居者の不満が大きくなるだけでなく、家賃収入源にも繋がります。

騒音等の入居者間による生活マナーのトラブルは、調整力やコミュニケーション能力も求められる、複雑な問題です。この様な問題は、全てが解決できるわけではありませんし、できたとしても時間が掛かることが多いです。

自主管理であれば、当然ですが、これらの業務を、賃貸オーナーが自ら向き合い対応することになります。

資産価値が落ちる可能性がある

不動産は、維持管理が適切に行われていないと、負のスパイラルに陥り、資産価値が落ちてしまいます。
負のスパイラルとは、この様なスパイラルです。

建物の維持管理が適切に行われていないと、
『住環境の低下』→『家賃が下がる』→『維持管理費の対家賃収入比が増える』→『維持管理費を減らす』→『更に住環境が低下する』

賃貸経営の負のスパイラル

賃貸経営の資産価値が減少する負のスパイラル

一旦負のスパイラルに陥ると、元に戻すのには、多額の費用が必要です。

自主管理の場合、オーナーが建築やメンテナンスに関する知識が少ないケースが少なくありません。適切に時期に適切なメンテナンス工事が行われずにいることで、建物の劣化が早まり、収支も悪化し、賃貸不動産としての資産価値が落ちてしまう可能性も出るのです。

外壁に大きなクラックの入ったマンション

外壁に大きなクラックの入ったマンション

入居者の不満を募らせる可能性がある

管理のノウハウに乏しかったり、賃貸管理に時間を取れなかったりすると、トラブル対応が雑になりがちです。
そうすると入居者の不満が大きくなり、退去する可能性も出てきます。あまりにも杜撰な対応を行うと、書き込みサイトに、悪い評価を書かれてしまい、後々の入居募集に影響を及ぼすこともあります。

精神的なストレスが溜まりやすい

賃貸管理はストレスとの戦いでもあります。

空室のストレス、家賃滞納対応のストレス、クレーム対応のストレス等、賃貸管理を行う上では、様々なストレスと向き合わなければなりません。

騒音問題では、解決の糸筋が見えず、入居者と1年以上やり取りし、悩まされた経験もあります。

精神的なストレスが溜まりやすい、ネガティブな問題と向き合っていかなければならないというのも、自主管理のデメリットのひとつです。

自主管理に向いている人の特徴

ここでは自主管理に向いている人の特徴を挙げてみましょう。

人付き合いが得意

「人付き合いが得意な人」は、自主管理に向いていると言えます。
賃貸管理は、入居者との良好なコミュニケーションが求められ、自主管理は、必然、賃貸オーナーと入居者との距離が近くなり、やり取りを行う場面が多くなります。

入居者の性格も様々で、他人とのコミュニケーションが得意な人もいれば、苦手な人もいます。オーナーとの距離が近いことに抵抗がある人もいれば、コミュニケーションが苦手な人も、連絡が取りにくい人もいます。

ここでいう、「人付き合いが得意」とは、誰とでも会話ができ、コミュニケーションに抵抗がないというだけでなく、コミュニケーションが苦手な人とも、程よい距離を保ち、不快な気持ちにさせず、満足感を与えられることです。

そういうコミュニケーション能力を持ち、人付き合いが得意な人は、自主管理に向いていると言えるでしょう。

時間に余裕がある

時間に余裕がある人も自主管理に向いています。自主管理は、不動産管理の業務を自ら行わなければなりません。
トラブルは、時間を問わずやってきて、そして重なります。

入居者からの連絡は時間を問わず、連絡を受けたらすぐに物件に行かなければいけない場合もあります。
時間に余裕のある方、自分で時間の使い方を決められる方が、自主管理に向いているという理由です。

トラブルの対応力が高い・ストレス耐性が強い

トラブルへの対応力が高い人も、自主管理には向いています。
賃貸管理によくあるトラブルとは、漏水や設備の故障や不具合、入居者間や近隣との問題です。

入居者にとっては生活環境の悪化に繋がりますので、早急な対応や改善を求められますが、内容によっては、時間が掛かるものもあります。

対応を間違えると、更なるトラブルを生むのがトラブルです。

トラブルが増幅しないよう、内容を把握し、迅速に対応や改善できる能力のある人は、自主管理に向いています。

トラブル対応は、どうしても精神的なストレスが溜まります。ストレス耐性が強い人も、向いていると言えるでしょう。

所有物件が少ない

所有物件数が少ない人も自主管理に向いているといえるでしょう。
所有物件が増えると、1物件に対する管理がどうしても手薄になってしまいます。手薄になると管理も悪くなってしまいます。
所有物件が少なければトラブルの頻度も減りますし、所有物件に向き合う時間も少なくて済みますので、管理の質を保ちやすいと言えるでしょう。

自主管理に向いていない人の特徴

では、自主管理に向いていない人には、どのような特徴があるでしょうか。

時間が十分に取れない

本業があって、賃貸管理に向き合う時間が、十分に取れない人は自主管理に向きません。
前述のように、自主管理は自分で管理業務を行わなくてはならず、時間を割かなければいけない場面は急にやってきます。そういった時に時間が取れないという方は、自主管理には向きません。

仕事を丸投げにしたがる

仕事を丸投げにしたがる人も自主管理には向きません。
賃貸管理は、自分で解決しなければいけないトラブルも少なくありません。積極性が大切になるため、仕事を丸投げにしたがる人は自主管理に向かないのです。

所有物件が多い

物件を多く持っている人も自主管理には向きません。
前述のように、物件を多く持っている人は、ひと物件に掛ける時間が分散されます。

対応しなければならないトラブルが重なる確率も上がりますし、重なった時の対応力も落ちます。
そのため、所有物件の多い人は自主管理に向かないと言えるでしょう。

物件から離れて住んでいる

物件から離れて住む人も自主管理には向きません。
離れて住んでいる人は、物件に行くことも大変です。現地でやり取りしなければならないトラブルは、時間が限られ対応も遅れます。時間があっても、コミュニケーション能力が高くても、距離だけはどうもしようがありません。

自宅から離れた物件は、自主管理には向かず、現地の賃貸管理会社に委託した方が良いでしょう。

自主管理を検討するときの注意点

ここまで自主管理のメリット・デメリットや向いている人とそうでない人についてお伝えしました。。
それでは、実際に自主管理をはじめるに当たっては、どのような点を確認すべきでしょうか。

連絡と移動手段の確認

自主管理のためには物件の状況をスピーディーに察知して対処をしなければいけません。
そのために必要なのが連絡と移動手段です。
不動産のトラブルには入居者の生活に直接影響するものが多いです。放置すると大きな問題にもなり得るので、すぐに駆け付けられるように、連絡と移動の手段を確認しましょう。

信頼できる業者や専門家の確保

業者との連携は自主管理には欠かせません。
不動産仲介会社や保険会社、退去立会を行ってくれる業社、電気工事、水道工事、内装工事を行ってくれる信頼できる業者を探し、いつでも依頼ができ迅速に対応してもらえるような関係を築くことも必要です。
また、家賃滞納等が発生した際に、弁護士などの専門家にすぐに相談できる体制を整えておく必要もあります。

工事内容の選別、業者探し、見積依頼、業者選別、発注、工事後の確認といった作業を、自主管理の場合は全てを自ら行なわなければなりません。

弁護士などの専門家は、無料相談会もありますが、十分な時間と対応を期待するには、月額費用が発生する顧問契約となります。

自主管理を始める前には、ご自身でこれらの作業を行えるか、体制を整えられるかをシミュレーションし、検討してみましょう。

知識と情報収集の手段の確保

賃貸不動産の経営には知識が何よりも大切です。
民法や借地借家法の知識はもちろん、修繕やリフォームの内容や見積に関する

日常の業務の他にも、トラブルへの対処、対外的な折衝などにも知識が必要となるからです。
また、不動産を取り巻く環境は毎日のように変動しています。情報収集の手段なども確認しておきましょう。

まとめ

自主管理は、管理会社への委託費用を削減でき、利益を増やすという点ではメリットがありますが、反面全てを自分で行わなければならないというデメリットもあります。

管理業務委託費を支払って管理会社に任せ、空いた時間を他のことに使ったほうが、時間とお金の有効活用になる場合もあります。

委託管理と自主管理はどちらが良いかは一概には言えません。
お金・時間・心の3つのバランスを考えて、どちらがご自身にとって合っているのかを検討してみてください。

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