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賃貸アパート・マンションの室内をリノベーションしようと考えた時に知っておいて欲しいこと

賃貸アパート・マンションの室内をリノベーションしようと考えた時に知っておいて欲しいこと

リノベーション協議会の啓蒙活動や、リノベーション雑誌の普及、リノベーションを題材としたTVドラマの影響もあってか、「リノベーション」という言葉がだいぶ認知されてきたように思います。

昔からの間取りを、現代のライフスタイルに合わせ、使い勝手の良さを考えた間取りに変えたり、床材や壁紙をオシャレなデザインや質感の素材のものに変えたり、水回りの設備を新しくして暮らしやすさを向上させたりと、リノベーションは、新築にはない魅力を感じます。

主に、ご自宅に対して検討する方が多いリノベーションですが、最近では賃貸物件にも取り入れようと検討する方も増えているようです。

そこで、この記事では、賃貸物件のリノベーションをしようかなと考え始めた時に、賃貸オーナーとして知っておきたい基礎知識を解説します。

リフォームとリノベーションの違い

リフォームとリノベーションの違いは、それぞれに明確な定義はありませんので、はっきりと区別することはできませんが、一般的に言われているのが、目的の違いです。

「リフォーム」は、古くなり故障したり、汚れたり傷ついたりした設備を補修・交換し、新しい状態にすることを目的とするのに対し、「リノベーション」は、水回りの位置や間取りの変更、壁や床の素材の変更など、“暮らし全体に対処した包括的な改修を行うこと”で、機能や価値を再生することを目的としています。

リフォームは、設備の交換の為、ポイントごとに部分的に施工することが可能なため、施工期間も短期間ですが、リノベーションは室内全体に及び、大掛かりなものだと解体から行いますので、施工期間も長くなります。

内装をリノベーションすることのメリット・デメリット

どんなことでもメリットがあればデメリットもあります。
賃貸管理会社として、リノベーション物件の管理・入居者募集を行ってきた経験から、所有する賃貸物件に、リノベーションをすることのメリットとデメリットを紹介します。

メリット

・高めの家賃設定でも入居が決まる
内装に希少性が加わり、同じエリアの競合物件と比べて、高めの家賃設定にしても入居が決まることが多いです。
家賃収入が上がることで、資産価値(売却価格)の向上に繋がります。

・地域にとらわれず集客ができる
リノベーションを行うと、地域にとらわれない集客が期待できます。
当社で運営している賃貸物件紹介サイト「ガレージ賃貸」にいただくお問い合わせの中でも、「リノベーション物件を探している」、「いい物件があれば引っ越したいという」ニーズは、一定数あります。

そういう方は、エリアではなくその物件が気に入るかどうか、で決める傾向があります。

リノベーションをすることで、今までターゲットとしていた募集エリアを、より広いエリアに広げることが期待できます。

・入居者募集活動の幅が広がる
近年の入居者募集活動は、多様性に富んでいます。
従来のポータルサイトやレインズへの掲載だけでなく、SNSや動画も高い集客力が認められています。

物件探しをしている方も、ポータルサイトだけでなく、気に入ったインスタアカウントをフォローして、いい物件が出たら問い合わせるというように、探し方にも変化が見られます。

実際に、当社で紹介している賃貸物件も、インスタグラムを見て問い合わせをいただく方が多数ですし、中にはYouTube動画をみてお問い合わせいただく方もいらっしゃいます。

このような募集活動を行うには、魅力的な(映える)室内写真、興味を引く動画は欠かせません。

リノベーションをすることで、SNSや動画を用いた募集活動も可能となります。

デメリット

・完成までの期間が長く、その期間は募集活動ができない。
内装を大幅に変更するリノベーション工事は、完成までに1-2ヶ月の期間が掛かります。
その間は、入居者募集活動はできませんし、完成後も入居が決まるまでは、家賃収入が得られませんので、施工時には、リフォームより空室期間が長くなります。
※募集活動は可能ですが、完成画像が無いため、リノベーションを活かした訴求力のある募集活動はできません。

・施工費用が高額になりがち
内装を全体的に行うため費用が高額になりがちです。解体、配管、配線、大工工事や、職人の手配、スケジュール管理等、工事項目も多岐に渡ります。
リノベーション会社によって項目や金額に差が出ることもあり、素人では内容や金額が適正かどうかの判断がしづらいです。

・使用する建材によっては、維持管理に費用が掛かる
壁の塗装や無垢フローリングは、経年劣化した際の補修費用が、クロスや突板フローリングよりも高額になることがあります。
建材にこだわりすぎると、入居者入れ替えのたびに、高額な工事費用を負担しなければならなくなることもあります。

大家さんが実施するリノベーションの主な内容

リノベーションで、よく検討される箇所や内容について紹介します。
ご自身の物件にリノベーションを検討する際の、参考としてください。

・壁や天井
クロスの張替えや塗装
最近のクロスはデザイン性や、色のバリエーションも豊かになりました。
エンボスのデザインを変えたり、壁の一部の色を変えたりしてアクセントをつけると、室内の雰囲気も変わります。

・床
床材は、カーペット、CFシート、フロアタイル、クローリング、無垢板フローリング等様々です。
現代のライフスタイルに合わせて、和室(畳)を洋室(フローリング)に変更することも増えています。
床材=フローリングもしくはフローリング調というイメージが一般的でしたが、モルタル調やタイル調のデザインを採用するケースも増えてきました。

・建具
室内ドアの交換が主です。
色やデザイン性も豊かになり、古材風なデザインのものや、塗装っぽいデザインのもの、チェッカーガラスをはめたものなど、オシャレなものが増えています。
デザイン性の高いものは高額でしたが、値ごろ感のあるものも見つけられるようになりました。

・間取り変更
単身向けのワンルームでは変更することは多くありませんが、ファミリータイプでは、2DKから1LDKへ、3DKから2LDKへなど、個室の数を減らしてコモンスペースを広めに取るという変更がよく見られます。
水回りは、排水管の位置の都合上、位置を大幅に変更することは難しいですが、キッチンを壁付けからカウンタータイプにするといった変更はよく行われます。

賃貸リノベーションの費用感

気になる費用感ですが、使用する建材や仕様、大工仕事の内容や規模感によって大きく変わります。

水回りの設備の交換や床・壁・天井の張替えを行うフルリノベーションを例にとりますと、ワンルームタイプで250万円~350万円前後、ファミリータイプで1㎡あたり15万円前後です。

床材を例にとって見ても、無垢フローリング、突板フローリング、フロアタイル、カーペット、CFシートでは、㎡あたりの単価に差があり、部屋の広さに換算すると、数万円~十数万円の差が開くこともあります。

ご自身が使用する自己居住用物件のリノベーションと異なり、賃貸物件のリノベーションは入居者の退去時には原状回復工事を行います。数年後に手に入りやすく交換しやすい部材かどうか、交換や補修のたびに高額な費用が発生する部材ではないかどうかも勘案し、検討することをお勧めします。

内装をリノベーションするときに考えて欲しいこと

賃貸物件をリノベーションすることで期待できるのは、その賃貸物件の収益性を高めることです。

キャッシュフローツリーで見ると、『NOI(純利益)を上げる』ことであり、これは、『GPIを上げる』『空室損を下げる』『補修費を下げる』の3つのどれかを実現させること意味します。

ですから、リノベーションをするかどうかを検討するのであれば、『家賃を上げられるのか』『空室損は下がるのか』『補修費は下げられるのか』についても検証することをお勧めします

また、リノベーション費用は数百万円掛かります。検討しているオーナーからよくいただく質問として、賃料が上がったとして、上がった分の賃料で数百万円を回収するのでは、何年かかるか分からないというものがあります。

費用対効果の考え方にはいくつかありますが、ここでは、投下資本利回りとバリューアップの考え方についてお伝えします。

投下資本利回りの考え方

400万円のリノベーション工事を行い、年間賃料が24万円上がったとします。

24万円÷400万円×100=6%

400万円の投下資本利回りは6%となります。
空室率や補修費用を下げる効果が期待できるのであれば、利回りは6%超とも捉えられます。

バリューアップの考え方

バリューアップとは、市場価値を高めることです。投資用不動産の市場価値)は、以下の数式で算出します。

V(市場価値)=I(年間家賃収入)÷R(利回り)

利回りが5%の地域で年間家賃収入が24万円上昇したのであれば、
24万円÷5%=480万円
400万円の投資で、市場価値が480万円上昇したことになります。

この2つの考え方は、費用対効果を数値で表したものです。
地域によっては、期待するほど賃料や市場価値が上がらないこともあります。

競争力の劣化、設備の劣化や陳腐化などにより、将来的に安定した賃料収入を維持するためにリノベーションが必要というケースもあるでしょう。

今回の記事では、賃貸アパート・マンションをリノベーションする際に、オーナーに知っておいていただきたいことについて紹介しました。

適正なリノベーション費用はいくらなのか、投資として成り立っているのか、リノベーションする必要があるのかといった、様々な視点で検討し、後悔なく、安定した賃貸経営にお役立ていただけましたら幸いです。

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