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契約する前に知っておきたい、これがあったら注意した方がいいサブリース契約の条文

約する前に知っておきたい、これがあったら注意した方がいいサブリース契約の条文

管理業務委託契約とサブリース契約。賃貸不動産オーナーは、管理業務を委託する管理会社を選別する際に、一度はどちらにするか悩んだ経験があるでしょう。

管理業務委託契約とは、管理業務を委託する、委任契約。サブリース契約とは、管理会社に賃貸し、転貸借を許可する賃貸借契約です。

サブリース契約は、管理会社に賃貸する賃貸借契約のため、空室や滞納によって家賃収入が得られなくなる心配がありません。オーナーにとっては、管理会社が賃借人になりますので、サブリース契約が続く限り、満室経営が見込めます。

一見リスクがなさそうに見えるサブリース契約ですが、実は、賃貸不動産オーナーにとって不利になる条文がある、危険な契約になってしまうこともあります。

この記事では、契約後に後悔しないよう、事前に知っておいて欲しい、サブリース契約の仕組みと、契約書にこの条文があると危険!という、要注意な条文を紹介します。

サブリース契約を検討している不動産投資家・賃貸オーナーは、契約締結する前に、必ず確認しておきましょう。

この記事のポイント

  • 管理業務委託契約は委任契約、サブリース契約は賃貸借契約で適用される法律も異なる。
  • サブリース契約は、管理会社に不満があっても、合意がなければ契約解除が難しい。
  • 管理会社の都合で、一方的に家賃を下げられてしまう条文が書かれていることもある。

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管理業務委託契約とサブリース契約の仕組みと適用される法律

先にも述べましたが、管理会社に所有する不動産の入居者募集や管理を委託する契約には、大きく分けて、「一般管理業務委託契約」と「サブリース契約」の2種類があります。
サブリースのリスクを解説する前に、それぞれの契約形態の仕組みを見て行きましょう。

管理業務委託契約の仕組みと適用される法律

管理業務委託契約とは、管理会社に、入居者募集や家賃集金、クレーム受付・対応などの業務を委託する、委任契約です。

管理業務を任せているだけですので、空室の場合には、オーナーに家賃収入はありませんし、入居者による家賃滞納が発生した時も、管理会社による滞納保証や家賃保証会社の利用がなければ、空室時と同様に家賃収入はありません。

管理業務委託契約の仕組み

一度退去となると、空室期間が短くて済むか長期化するかは、時期的なものもありますが、管理会社の入居者募集活動に対する熱意や営業力に影響されることがあります。

管理会社の収入は、賃料の3~5%に当たる管理業務委託費です。

契約のベースとなるのは委任契約で、いつでも契約を解除することが可能です。
契約書の解除の規定にもよりますが、基本は即時解約が可能ですので、管理会社の能力に不満があれば、管理業務委託契約を解約し、新しい管理会社に依頼することも容易に行えます。

サブリース契約の仕組みと適用される法律

サブリース契約とは、管理会社を賃借人とする賃貸借契約で、借地借家法が適用されます。オーナーと管理会社は、賃貸人と賃借人の関係になり、転借人にとっての賃貸人は管理会社になります。

サブリース契約の仕組み

管理会社を賃借人とする契約ですので、サブリース契約が継続中は転借人がいなくても、賃借人である管理会社から家賃は支払われますし、転借人による滞納が発生した場合も同様に、オーナーには管理会社から家賃が支払われます。

サブリース契約中は満室ですので、収入にブレがなく、収支計画が立てやすいのが特徴です。

とはいっても、管理会社の客付け力の違いによって、オーナーの得られる家賃収入に全く影響がないということではありません。空室期間が長引いたり、入居との賃料が下がったりすると、サブリース契約の更新時に賃料改定を要求されてしまうことがありますので、客付け力の高い管理会社に依頼した方が、後々の賃料減額リスクの軽減にはなるでしょう。

管理会社の利益は、転借人から受領する転貸料とオーナーに支払う賃料の差額で、10%~20%です。

サブリースの賃料と転貸料

契約のベースとなるのは賃貸借契約ですので、借地借家法が適用され、賃借人である管理会社の権利が強くなります。

解約は、双方の合意による契約解除が最もスムーズですが、管理会社が合意しなければ明渡し交渉となり、オーナー側に、「正当事由」が求められますので、管理業務委託契約に比べ、管理会社の変更の難易度が高くなります。

管理会社の能力に不満があっても、新しい管理会社に依頼することもできません。

サブリース契約にあったら要注意な条文

管理業務委託契約とサブリース契約の仕組みと適用される法律の違いを解説し、サブリース契約は管理会社を賃借人とする契約の為、管理会社に不満があっても、契約解除が難しいことがお分かりいただけたかと思います。

中には、更に管理会社の権利を強くする条文を記載しているケースもありますので、ここでは、実際に契約書にあった、「こんな条文があったら要注意!」という条文を紹介します。

転貸料が下がったら、オーナーは賃料減額に同意しなければならない条文

「管理会社がオーナーに支払う賃料が、転貸料と同額もしくは、上回った場合には、管理会社はオーナーに賃料減額を申し入れることができ、オーナーは応じるものとする」
※条文の言い回しは若干変更しています。

サブリース契約は賃貸借契約です。管理会社にとっては、転借人から受領する転貸料とオーナーに支払う賃料との差額が管理会社の利益となります。契約当初は、転貸料の80%~90%を賃料として定めますが、契約期間中に転貸料が上がれば管理会社の利益が増え、逆に、転貸料が下がれば利益が減ります。

この条文があることで、転貸料が下がり管理会社の利益が下がった時には、管理会社は賃料の減額請求ができ、その場合には、オーナーは減額に応じなければならないということになります。

サブリース契約では、管理会社と転借人との間の契約条件は、オーナーに相談することなく管理会社が自由に決めることができます。

もし、相場よりも著しく低い転貸料で転貸した場合であっても、管理会社はオーナーに賃料減額の申し入れができ、オーナーは転貸料がいくらなのかも分からず、異議も述べられず、賃料減額にも応じなければならないというのが、この条文の注意すべき点です。

さすがに一方的に管理会社に有利なので、有効性が疑われることもあるんじゃないかと思い、弁護士にも確認しましたが、事業者同士(オーナーも事業者扱いになります)の契約ですので、有効になる可能性が高いとの回答でした。

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サブリース契約を締結する前に契約書を確認しよう

令和2年12月15日に施行された「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」により、管理会社は契約締結前に重要事項の説明を行い、締結時に書面を交付することになりました。

国土交通省の策定した「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」では、重要事項説明の記載例もあり、そこには、管理会社からの賃料の減額請求は、

  1. 土地又は建物に対する租税その他の負担の増により不相当となったとき
  2. 土地又は建物の価格の低下その他の経済事情の変動により不相当となったとき
  3. 近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったとき

のいずれかの要件を満たさなければ、空室の増加や管理会社の経営状況の悪化等が生じたとしてもできないとしており、オーナーも必ずその請求を受け入れなければならないわけでないとしております。

これにより、オーナーがサブリース契約の内容を理解せずに契約することや、管理会社に過度に有利な特約が付加されることは少なくなりそうですが、そうであっても、事前に契約書類のひな型を確認することをお勧めします。

どこに依頼するか決める前の、管理会社の選別の段階で、普段利用しているひな型を提出してもらうと良いのではないでしょか。

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