長く賃貸管理の現場を経験してきました。自身もオーナーとして不動産投資や賃貸経営を行っています。その経験を共有し、皆様の賃貸経営にお役立ていただければと思い本ブログを運営しています。1976年生まれ、2人の娘の父です。
【保有資格】CPM®(米国不動産経営管理士)/(公認)不動産コンサルティングマスター/ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士/相続アドバイザー
「一旦空室が出てしまうと、入居者がなかなか決まらない…」と、所有物件の空室に悩んでいる賃貸物件のオーナーも多いのではないでしょうか。
空室物件の入居者募集対策は、当社でも多くご相談いただいております。
空室があると、その部屋からは賃料収入が得られず、賃貸経営の収支に影響するだけでなく、賃貸経営に不安を感じ、オーナーの精神面にも影響してきます。
空室は連鎖します。1部屋だけと油断していると、2部屋、3部屋と退去が続くこともよくある話で、気づけば経営状況が大きく悪化しているということも稀ではありません。
しかし、空室の原因を知り、空室対策をしっかりと考えることで、無駄な空室を抑え長期的な満室経営を実現することも可能です。
そこで今回は、安心して満室経営ができるために抑えておきたい、「空室になる4つの大きな原因」を詳しく解説します。
この記事では、空室に悩む賃貸オーナーに、空室になる原因と空室対策について解説しています。原因と対策を理解し、ぜひあなたの満室経営実現のためにお役立てください。
空室の原因は、ほとんどのケースで以下の4つです。
- 賃料やその他の入居条件設定が適正ではない
- ターゲットとなる入居者のニーズにあった物件になっていない
- 管理状況や入居者対応が不十分
- 募集活動が不十分
賃料設定が適正ではない
入居者募集時の入居条件設定は重要です。
入居条件には、毎月支払う賃料と、契約時に支払う初期費用があります。
初期費用には、礼金・敷金・仲介手数料・家財保険・保証会社の保証料・鍵交換費用などがあり、契約時の一時金として入居者が支払うものです。
入居者は、賃料だけでなく初期費用の額も比較します。賃料が相場を反映した適正な額であっても、初期費用が、比較検討の対象となる同エリアの同タイプの競合物件と比べて割高であれば、検討の対象外とされてしまいます。
入居条件設定の際には、競合物件の募集条件を確認することが大切です。
可能であれば、競合物件の募集状況も把握し、同じように空室が長引いているのであれば、家賃相場や入居者の動向が変化していることも考えられますので、柔軟に賃料や条件設定を見直すことも大切です。
入居者ターゲットのニーズにあった物件になっていない
当然のことですが、入居者が物件に求めることは、ターゲットとなる世帯層・性別だけでなく、地域性やその時の流行によっても変わります。
女性をターゲットとする場合、オートロックや防犯カメラといったセキュリティ系の設備が求められる傾向があり、無料インターネットや宅配ボックスといった設備も標準設備になりつつあります。
利便性の高さが魅力の都心部のワンルームでは、3点ユニットの浴室からシャワーブースとトイレに分けることで入居率が上がったこともありました。
入居者のニーズには、設備だけでなく間取りも含まれます。ファミリー層をターゲットとした50㎡台の物件では、2LDKに変更するのではなく、敢えて3DKのままにすることで、3部屋あることで優位性が出て入居率が上がったということもありました。
ニーズとは、立地、賃料、設備、間取りの掛け合わせですが、立地や間取りなど変えることができないこともあります。
変更できるからといって設備だけを豪華にしても、入居率に大きな影響が出ないこともあります。
地域性や流行を把握し、物件の状況と照らし合わせて、バランスの良い適切な施策に取り組むことが空室対策には大切です。
物件の管理が不十分
物件の管理状況とは、入居者からの苦情や不満への対応と、美観や生活環境を維持するメンテナンスの状況をいいます。
入居者からの苦情や不満への対応が適切に行われていない場合、例えば、「設備の故障の連絡をしてもすぐに修理してもらえない」「騒音トラブルに対応してくれない」など、入居者の生活環境に影響を及ぼす内容であれば、物件に対する不満がたまり、退去に繋がります。
設備の故障は、入居者に不便を強いるものですので、早期に対応することが大切ですし、簡単に解決できるものではない騒音トラブルも、真摯に向き合って対応している姿勢を見せることが大切です。
また、建物の美観や清潔に保つためのメンテナンスも、怠ると、入居率に影響を及ぼします。
入居希望者が内覧に訪れた時に、建物周りにゴミが散乱していたり、駐輪場に、錆ついてパンクしている、明らかに使われていない自転車が放置されたままになっていると、荒廃感が出てしまい、敬遠されてしまいます。
入居者へのきちんとした対応はもちろんですが、定期的な清掃や巡回点検で美観や清潔感を保つことも、不要な退去や、見込み入居者離れを減らすことに繋がりますので、空室率を低下させることが可能です。
募集活動が不十分
空室になる4つの大きな原因のなかで、最も重要な項目です。
空室問題について多くのご相談をいただき解決してきましたが、ほとんどの空室物件には、この項目に問題がありました。それが、募集活動が不十分であったことです。
早期に入居者を決めるために、募集活動で大切なのは、物件情報を「入居者を紹介してくれる客付け不動産会社と、見込み入居者に対し、早く・広く」公開することです。
「早く・広く」公開するには、以下の3つの方法があります。
- 業者に間の情報サイト(レインズ)に公開
- ポータルサイトに公開
- 客付け不動産会社に公開
賃貸管理を不動産会社に依頼しているオーナーも、自主管理を行っているオーナーも、入居者募集活動は不動産会社に依頼します。
募集活動を依頼した不動産会社が、3つの方法を適切に行っていない場合は、空室が長期化する傾向が見られますので、募集活動の状況はできる限り確認するようにしましょう。
ポータルサイトに公開しているかどうかは、インターネットで検索することで、オーナーが自身で調べることも可能ですが、業者間情報サイトに公開されているかどうかは、直接調べることはできませんので、依頼した不動産会社に確認してください。
「客付け不動産会社に公開」とは、依頼した不動産会社が他の不動産会社に対し、その会社のHPやSNSへの掲載、その会社から各ポータルサイトへの掲載を許可することです。空室が長引いている物件を調べると、許可していないケースがほとんどでした。
客付け不動産会社も物件情報を掲載できるのであれば、彼らも写真撮影のために現地に行きます。
現地に行けば、お客様へも紹介しやすくなりますので、見込み入居者を獲得できる確率が上がり入居率アップに繋がります。
これは、インターネット検索で確認できます。ポータルサイトに依頼していない会社からも掲載されていたり、依頼していない会社のHPに掲載されていれば、許可している可能性が高いということになります。
まとめ
空室の長期化問題について解決してきた経験から、空室が長期化している物件に共通してみられる原因を大きく4つに絞って解説しました。
この4つの項目についても、それぞれにさらに細かい原因があります。
例えば、入居募集に関しては、見栄えの良い写真を撮る、興味を引く募集図面にする、内覧してくれた方の感想を確認するといったことです。
空室対策は、時間が掛かりますが、こつこつ実施することで必ず実現できるものでもあります。
長期の空室に悩んでいるオーナーは、一度ご自身の物件の状況について点検し、当てはまる項目は、早めに改善してみてください。
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